55%は役立たず バイアグラなどネットで偽物横行
読売新聞2009年12月3日より
インターネットを通じて購入した勃起(ぼっき)不全(ED)治療薬の55%が偽物だったことが2日、国内で本物を製造・販売する4社の調査でわかった。ED治療薬の偽物がネット経由で流通していると指摘されてきたが、4社によると、まとまった規模の分析結果が出たのは初めて。
正式に承認されたED治療薬「バイアグラ」(商品名)を扱うファイザー、「レビトラ」(同)を扱うバイエル薬品、「シアリス」(同)を6月まで扱った日本イーライリリー、7月から扱う日本新薬の4社が、調査会社を通じ2008年12月〜09年4月に購入し、分析した。
日本のほか、偽物の販売にかかわったとされる日本人が摘発されたタイで、ネット上でバイアグラ、レビトラ、シアリスと称する薬をそれぞれ約30点ずつ買った。紙の箱入りの薬のほか、樹脂製の容器入りのものもあった。タイでは現地を訪れる日本人向けの日本語サイトから購入した。
その結果、184点のうち102点は、有効成分の量が本物と明らかに違った。本物の1割しかなかったり、4倍もあったりしたケースや、まったく入っていないケースがあった。偽造した錠剤の表面を塗料で塗り、本物を装ったものもあった。
東京歯科大市川総合病院の丸茂健教授(泌尿器科)によると、偽物と知らずに飲んで、効果がないため自信を失う人もいる。本物であっても、狭心症の発作を起こしてニトログリセリン系の薬を服用している人が飲むと、血圧が下がり深刻な健康被害が出る恐れがある。丸茂教授は「EDは適切な治療で効果がある。医療機関を受診してほしい」と話す。
4社によると、シンガポールでは昨年、偽のED治療薬を飲んだ2人が死亡した。錠剤に含まれた血糖降下剤の影響で低血糖状態に陥ったためと報告された。血糖降下剤は、日本で承認されている1日最高服用量の4倍以上含まれていた。